EDUCATION

消化器内科学

研究室紹介

私たち消化器内科学教室(第一内科学教室)では、消化器病学の教育、診療そして研究を行っています。大学の使命は、教育、診療、研究の3本柱を偏りなく発展させることで、最先端の医療を最新の研究成果に基づいて行い、医療の質を向上させることによって社会貢献することと考えております。

まず診療では、患者さん中心の全人的医療を第一として、大学病院としての専門医療?高度先進医療を常に提供し、これまでも我が国の消化器病疾患の治療の発展に重要な役割を果たしてきました。それだけでなく高知県における地域の中核病院としての役割も、果たしていかなくてはならないと考えています。教育においては、消化器病学の知識?技術の習得だけに終わらない、問題点を自分で見つけ出しそれを自分で解決していく自己解決能力を持った医師、すなわちリサーチマインドを持った医師の育成を目標としています。そして消化器内科学では、Learning Continuityを目指しています。臨床実習においてはstudent doctorとして積極的に診療グループに参加してもらい、学生?初期研修ではシュミレーターを用いた実習そして実際の臨床を通じて消化器内科の楽しさを体験?経験してもらう、そして後期研修では魅力あるサブスペシャリティーの研修を行います。その後はそれぞれの先生の個性に合わせて、大学院に進み今までの日常診療から生じた問題点を掘り下げ臨床にフィードバックできる研究、専門領域のさらなる研修、一般消化器内科医として地域医療への貢献と進路を用意しています。

研究内容

研究では、“From bedside to bench and back again.”を常に心がけ、「消化器と免疫」「炎症と発癌」をキーワードに、慢性の炎症性消化器疾患(自己免疫性膵炎、IgG4関連疾患、原発性胆汁性肝硬変症(PBC)、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、ヘリコバクター胃炎)と癌の基礎的?臨床的研究を行っています。これらの研究は、国内外の研究施設との共同研究も積極的に行い、国内のみならず海外からも高い評価を受け、多くの外部資金を獲得しています。

肝臓グループでは、PBCの研究が第一内科開講以来行われており、PBCの発症に関連する免疫学検討や、現在では標準的な治療法の一つとなっているBezafibrateによる治療法の開発など多くの重要な研究により高い評価を得てきました。また、生活環境の変化とともに増加の一途を辿っているNASHは、今後さらに問題となることが予想されます。当グループでは、NASH発症のメカニズム解明のために、遺伝的側面、代謝的側面を中心に基礎研究および臨床研究を行っています。

消化管グループでは、”胃内ピロリ菌フローラ(遺伝子多様性)形成と各種疾患?病態との関連性の解明”というテーマで臨床研究を行っています。ピロリ菌は乳幼児期に感染後、胃内で著しい遺伝子変異を繰り返し慢性持続感染を成立させています。その持続感染に関わる遺伝子変異の研究のひとつとしてピロリ菌の薬剤耐性の多様性を証明し、ピロリ菌フローラという考え方を国内や海外の学会で報告し高い評価を得ています。また、炎症性腸疾患の診療においては、新規バイオマーカーであるロイシンリッチα2グリコプロテイン(LRG)や、より患者さんへの負担の少ない消化管検査であるMR enterographyを積極的に活用しており、難治性炎症性腸疾患の診療?臨床研究にも力を入れております。内視鏡診療においては、新規画像強調機能であるLinked Color Imaging(LCI)の診療への活用について富士フイルム株式会社、富士フイルム和光純薬株式会社と共同研究を行っております。

胆膵グループは、指定難病である自己免疫性膵炎(IgG4関連疾患)では、厚生労働省難治性疾患政策研究事業「IgG4関連疾患の診断基準並びに治療方法の確立を目指す研究」班、日本膵臓学会において、臨床診断基準の改定、ガイドラインの作成に携わっています。また基礎研究においては、1型自己免疫性膵炎の病態解明を目指すべく自然免疫(好塩基球、M2マクロファージなど)、獲得免疫(制御性T細胞、制御性B細胞など)の両面から解析を行っています。この疾患は日本から発信された疾患概念であり、ぜひ日本から情報を発信し続け、これからも日本がリードしていかなくてはならない分野であると考えています。

また、膵癌については浸潤?転移機構に関する研究を行っています。膵癌細胞の増殖に関わっているカイネシンモーター蛋白質の1つであるKIF20Aが、RNA結合蛋白質IGF2BP3と結合したメッセンジャーRNAおよび非翻訳RNAの複合体を内包したRNA顆粒を葉状仮足まで輸送することにより、膵癌細胞を浸潤?転移させていることを明らかにしました。この新たな知見を通して、基礎研究と並行して臨床試験を積極的に行っています。膵癌の予後改善に貢献できる可能性のある研究成果を得ており、関連する学会総会や論文において研究成果を発表しています。

研究は、確かな臨床の裏づけによって生れます。そのためにも、臨床は常にトップレベルでなければなりません。トップレベルの臨床を行うことで生まれてくる問題点を、基礎研究へとつなげていき、その研究成果を再び臨床にフィードバックする。このような臨床?研究を通じて、この高知から消化器内科学の将来を担う人材の育成を目指していきたいと考えています。

スタッフ紹介

役職名?所属 氏名 詳細

消化器内科学講座

教授 内田 一茂 研究者総覧へ
准教授 谷内 恵介 研究者総覧へ
助教 野崎 靖子 研究者総覧へ
助教 沖 裕昌 研究者総覧へ
助教 吉岡 玲子 研究者総覧へ
役職名?所属 氏名 詳細

内科(消化器内科)

講師 廣瀬 享 研究者総覧へ
助教 小笠原 光成 研究者総覧へ
助教 越智 経浩 研究者総覧へ
特任助教 石川 洋一
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TEL:088-880-2338

FAX:088-880-2338