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高知大学 研究拠点プロジェクト (第V期)

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SDGsに向けてFor SDGs

この研究プロジェクトとSDGs

 SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とは、2015年に国連サミットで採択された、2030年までの国際目標です。17のゴールと169のターゲットで構成され、世界中がその達成にむけて取り組んでいます。高知大学は「人と環境が調和のとれた共生関係を保ちながら持続可能な社会の構築を志向する「環境・人類共生」(環・人共生) の精神に立脚し、地域を基盤とした総合大学として教育研究活動を展開する」としており、これはSDGsのゴールととても親和性の高い考え方です。研究拠点プロジェクトでも、研究内容とSDGsとの関係性を強く意識しながら研究に取り組んでいます。このページでは、研究プロジェクトとSDGsとの関係性について紹介しています。


研究トピックとSDGsとの対応

研究トピック Goal Target
人口減少社会に対応した「都市域水管理システム」の構築 Goal 11 Goal 13 11.5 13.1
人口増加が予想される発展途上国に適応した「都市域水管理システム」の構築 Goal 11 Goal 13 11.5 13.1
消費エネルギーの大幅削減を実現する革新的な造水技術・廃水処理技術の開発 Goal 06 Goal 07 Goal 09 6.3 7.2 7.a 9.4
過疎高齢化が進行する農村地域に対応した「水インフラ管理システム」の構築 Goal 02 Goal 04 Goal 06 Goal 09 2.4 4.c 6.5 9.1
アジアの発展途上国の持続可能な発展を支える「農村開発支援プログラム」の開発 Goal 06 Goal 13 6.6 13.1
農業系廃棄物から付加価値を創出する「カスケード型資源循環システム」の構築 Goal 12 12.5
マングローブの永続的利用のための「環・人共生マングローブシステム」の構築 Goal 12 Goal 14 Goal 15 12.2 14.2 14.a 15.1 15.2 15.5
沿岸閉鎖性水域における赤潮発生機構の解明と赤潮防除策の構築 Goal 14 14.1 14.2
対象地域の地理情報システムの構築と水・バイオマス循環システムの広域展開 Goal 12 Goal 17 12.2 17.18

ゴールとターゲットについては、こちらを参照


活動 --- Efforts

藤原教授を含む産学官連携チームが科学技術振興機構「STI for SDGs」アワードの優秀賞』を受賞

 藤原教授らの産学官連携チーム(高知大学、香南市、高知県、前澤工業株式会社、日本下水道事業団)の取組み「汚水処理の持続性向上に向けた高知家(こうちけ)の挑戦〜産官学による新技術開発と全国への展開〜」が、科学技術振興機構が実施する「STI for SDGs」アワードにおいて優秀賞を受賞しました(2019年10月31日)。
 「STI for SDGs」アワードとは、未来共創推進事業の一環として、科学技術イノベーション(Science, Technology and Innovation: STI)を用いて社会課題を解決する地域における優れた取組を表彰する制度です。

 取り組み概要と受賞理由は以下の通りです。(いずれもJSTより)。
取り組み概要:
 高知県は汚水処理人口普及率が全国ワースト3位であり、さらに人口減少や厳しい財政状況に直面しており、地域の都市基盤としての汚水処理施設の普及および持続性向上が課題となっている。本取り組みでは、高知大学の研究シーズをもとに、反応タンク内に設置した溶存酸素濃度計を用いて、送風量と循環流速を自動制御する汚水処理新技術「オキシデーションディッチ法における二点DO制御システム」を産官学の連携により開発した。同技術は香南市野市浄化センターで電力を3分の1、処理時間を半分に減少し、処理コストも削減できることを実証。この結果を踏まえ、同市内で本技術を2ヵ所に導入した他、さらに他の自治体へも水平展開を行っている。これにより、人口減少が進む地方都市における汚水処理の持続性を向上させた。
受賞理由:
 本取り組みは選考委員会において、開発された新技術の成果が実証されており、日本各地への展開も開始していることから、科学技術イノベーションの活用、展開性の項目において、評価された。また、本取り組みは地道な研究による確立された基盤技術を、産官学の共創により実用化につなげ、汚水処理能力の向上、持続可能なまちづくりを実現した好事例として高く評価でき、優秀賞にふさわしいと判断した。
 取り組み概要の詳細はこちら(PDF)からもご覧いただけます。(高知大学のインフォメーションより)。

STI for SDGs STI for SDGs

公開シンポジウム 「SDGsをカタチに ー 水・バイオマスの視点から考える ー」を開催

 2019年2月23日(土)に高知会館において、公開シンポジウム「SDGsをカタチに ー 水・バイオマスの視点から考える ー」を開催しました。はじめに広島大学の大学院工学研究科の都留稔了教授による「多様な水源に対応できるRobust膜の開発と環境・エネルギーへの展開」というタイトルの招待講演が行われました。ここでは、化学工業分野における高純度製品の生産および環境有害物質の除去などで重要な役割を担う”Robust(ロバスト)膜”について、最新の研究成果が紹介されました。続いて、大阪大学産業科学研究所の古賀大尚准教授による招待講演「ナノセルロースによる紙のリノベーション ~SDGsに向けた機能革新~」が行われました。ナノセルロースとは木材由来の材料であり、鋼鉄の5倍軽くて8倍強く、かつ生分解性といった特徴を有しています。このナノセルロースを活用して、触媒反応器や電子デバイスの創製を行なうという最新の研究が紹介されました。
 本研究プロジェクトからは、市浦准教授による「オゾンを活用した紙おむつリサイクル技術と実装に向けて」という講演が行われました。オゾンを用いることで、紙おむつ中のパルプの性能を維持したままリサイクルすることが可能となり、鹿児島県志布志市において実証試験が進んでいます。また、プロジェクトリーダーである藤原教授から「SDGsターゲット6.3の達成に寄与する廃水処理技術の開発」の講演が行われました。下水の高度処理と省エネルギー化を同時に達成する新しい技術である「オキシデーションディッチ法を用いた二点DO制御システム」と「無曝気循環式水処理技術」が、高知県やベトナムで導入されている例が紹介されました。
 都留先生のご研究はSDGsのゴール6「安全な水とトイレを世界中に」への貢献が、古賀先生のご研究はゴール9「産業と技術革新の基盤をつくろう」とゴール15「陸の豊かさを守ろう」への貢献が期待されます。また、市浦先生と藤原先生の研究はそれぞれ、「つくる責任、つかう責任(ゴール12)」と「安全な水とトイレを世界中に(ゴール6)」への貢献を目指しています。なお、シンポジウムの詳細は高知大学リサーチマガジン(印刷中)に掲載されます。

Symposium Symposium
都留先生、古賀先生による招待講演の様子

イベントの案内へ

参考

17のSDGs

  1. あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
  2. 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
  3. あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
  4. すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
  5. ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う
  6. すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
  7. すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
  8. 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
  9. 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
  10. 各国内及び各国間の不平等を是正する
  11. 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
  12. 持続可能な生産消費形態を確保する
  13. 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
  14. 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
  15. 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
  16. 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
  17. 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

この研究プロジェクトに関連するターゲット

2.4 2030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭 (レジリエント)な農業を実践する。
4.c 2030年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国における教員養成のための国際協力などを通じて、資格を持つ教員の数を大幅に増加させる。
6.3 2030年までに、汚染の減少、投棄廃絶と有害な化学物質や物質の放出の最小化、未処理の排水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模での大幅な増加させることにより、水質を改善する。
6.5 2030年までに、国境を越えた適切な協力を含む、あらゆるレベルでの統合水資源管理を実施する。
6.6 2020年までに、山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼などの水に関連する生態系の保護・回復を行う。
7.2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
7.a 2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。
9.1 すべての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラを開発する。
9.4 2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。すべての国々は各国の能力に応じた取組を行う。
11.5 2030年までに、貧困層及び脆弱な立場にある人々の保護に焦点をあてながら、水関連災害などの災害による死者や被災者数を大幅に削減し、世界の国内総生産比で直接的経済損失を大幅に減らす。
12.2 2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。
12.5 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
13.1 すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応力を強化する。
14.1 2025年までに、海洋堆積物や富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。
14.2 2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。
14.a 小規模・沿岸零細漁業者に対し、海洋資源及び市場へのアクセスを提供する。
15.1 2020 年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。
15.2 2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。
15.5 自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる。
17.18 2020年までに、後発開発途上国及び小島嶼開発途上国を含む開発途上国に対する能力構築支援を強化し、所得、性別、年齢、人種、民族、居住資格、障害、地理的位置及びその他各国事情に関連する特性別の質が高く、タイムリーかつ信頼性のある非集計型データの入手可能性を向上させる。

国際連合広報センターを参考にしています)

information

革新的な水・バイオマス循環システムの構築

〒783-8502
高知県南国市物部乙200 高知大学・農林海洋科学部
TEL.088-864-5114
FAX.088-864-5200