◆佐野有司海洋コア総合研究センター長ら国際共同研究グループの研究成果が、英国のオープンアクセス科学誌「Nature Communications」に掲載されました
佐野有司海洋コア総合研究センター長ら国際共同研究グループの研究成果が、英国のオープンアクセス科学誌「Nature Communications」に2022年８月15日付で掲載されました。
窒素は、地球化学的なリザーバー（貯留庫）の間で大きな同位体分別（※1）を起こします。たとえば、大気、地殻、マントルのδ15N値（※2）はおのおの、０‰、＋６‰、–５‰です。これらの地球の主要な揮発性物質の起源に関する詳細な過程は未解決のままですが、この同位体分別を利用することで、約46億年前の地球初期における揮発性物質の集積過程を解明できる可能性があります。
本研究グループは、地球の核（コア）とマントル間の窒素の分配及び同位体分別を推定する実験的な研究を行い、その結果コアとマントルの窒素同位体分別は実験系の酸素分圧に強く支配されており、さらに温度、圧力、化学組成の変化にも対応することを明らかにしました。
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論文タイトル：Nitrogen isotope evidence for Earth’s heterogeneous accretion of volatiles
著者：Lanlan Shi, Wenhua Lu, Takanori Kagoshima, Yuji Sano, Zenghao Gao, Zhixue Du, Yun Liu, Yingwei Fei, Yuan Li
雑誌名：Nature Communications (2022) 13: 4769
DOI番号：doi.org/10.1038/ s41467-022-32516-5
※1 同位体分別‥化学的又は物理的プロセスにおいて、ある同位体が他の同位体に対して濃縮されること
※2 δ15N値‥試料（sample）の窒素同位体比（15N/14N）を示す値で、基準とする標準大気（standard）の値である0.00367からのズレを千分率で表したもの。δ15N = {(15N/14N)sample/(15N/14N)standard-1}×1000
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