◆人文社会科学系人文社会科学部門の北﨑勇帆准教授が、日本語学会の「2021年度日本語学会論文賞」を受賞しました。

2022年7月1日

 人文社会科学系人文社会科学部門の北﨑勇帆准教授が、日本語学会の「2021年度日本語学会論文賞」を受賞しました。
 本賞は、当該年度に刊行された日本語学会の機関誌「日本語の研究」の論文の中から、若手会員を筆頭著者とする傑出した研究論文を顕彰するものです。
 近現代の日本語においては、「~から」「~が」などの従属節の末尾で「明日は雨が降ろうから、傘を持っていきなさい」のようにして、「~う」によって話者の推量を表すことができますが、話者の意志を表す場合には「本を貸そうから、読んでみてください」のようにして「~う」を使うことはできません。
 一方で、室町時代~江戸時代の文献にはこうした「従属節末の意志の「~う」」の例が広範に見られます(画像参照)。本研究はこの現象の時代間の差異を定量的に記述した上で、動詞の基本形「貸す(から)」が非現実の事態を表せるようになったために、この「貸そうから」のような「う」が衰退したことを示しました。

 このように本論文は、日本語文法研究に与える波及効果が大きく、今後のさらなる発展性も認められ、今回の受賞につながったものである。

日本語学会表彰状.png日本語学会受賞-参考画像.jpg

 

※参考画像「みんなおめへに。あげやうから。よんでみな」
国立国語研究所蔵「花街鑑」

 

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